富津スーパースラローム速報レポート!
Stiffメンバー大活躍!
■メンズオープンクラス
優勝:柿木、準優勝:三田、3位:篠崎、6位:長島
■レディスオープンクラス
準優勝:多田
3位:大竹
今回のレースは私(J-222)も出場しています。自分のことでイッパイなので、全体のことをレポートできません。よって、私の思いっきり個人的なプライベートレポートになります。ご了承ください。 J-222記。
5月26日(日)、朝。いよいよ富津スーパースラローム、レース当日である。私たちは6時半ごろStiffを出発。風を期待しながら富津へ向かう。またしても昨日、飲み過ぎたぁ。なぜ、みんなレース前日にあんなに飲むぅ?
到着すると、すでに駐車場は山盛り状態。端から端までハイエースの展示場のようだ。どうして、みんなこんなに早起きなんだぁ?ともあれ、テントを設営して「本部」を作る。
9時40分、運営委員長の勝又氏よりご挨拶。予報に伝えられる「……後、南の風、やや強く」に期待をかけ、ウエイティングに入る。
開会式の様子ウエイティング。
他のショップの参加者たちは早々にセイルをセッティング。レース会場となる富津先端へ道具を運んでいる。私も、とりあえず手持ちのイチバン大きいリグをセット。その後は、暑さと眠気との闘いだ。Stiffライダーのオオタケ氏、ザキなどが私にプレッシャーを加えようと様々な言葉をかけてくるが、私は落ち着いて迎え酒(ビール)で撃退する。
それにしてもみんな大きな道具を持っている。8・?台や9・?台はあたりまえ。10以上のビックセイルまである。ボードもフォーミュラーやアップウインドなどで、私のボードの倍近くの幅がある。見ているうちに、みんながとても速い人たちに見えてきた。う〜、このままノーウインドでキャンセルにならないかなぁ。でなきゃ、ドン吹いてくれないかなぁ。
太陽が真上に近づく頃、風が北から西へ回りはじめる。しめしめ、このまま南西へ回って「やや強」だ。私はボードなどを先端海面へ運んだ。
岬先端へ移された本部
1時過ぎ、大きな道具がプレーニングをはじめる。しかし、私の道具ではまだ走らない。風よ、このまま上がってくれ。
そうこうしているうちにスキッパーズミーティング。コース図とヒートの確認を行い、スーパービギナーズクラスのスタート予定時間が告げられる。
2時20分。スーパービギナーズクラスのスタート。総勢8名が海上に滑り出す。Stiffのメンバーでは田中氏が好スタート。アゼママがスタートにとまどい、セイルアップに切り替える。コースは第1マークを回って帰ってくるだけだが、レース途中に風向きが振れ、南東クロスオフになる。行って帰ってくるだけのレースがタック合戦になり、まるでコースレースのよう。頑張れ、ビギナー!そこだ!いや、まだ早い!
結局、このレース、ハラダ選手が制した。
田中選手が好スタート!風があまりに振れたため、コース変更の決定がなされた。
南東クロスオフに対処するため、岬先端の中州をスタート位置にし、南海面のマークを回航するフィギュアエイトとなる。ホワイトキャップのボートがマークの打ち直しのため沖へ走り、しばしのウエイティング。いつでも道具を運べるように、自分のボードの近くで休んでいると、先日、富津の北東で一緒に練習したホワイトキャップのハザマ選手が話しかけてくる。
「この前の練習はなんだったんだろうねぇ」
その時は、確かに吹いていた。6・4、ほぼジャストで何回もレーシングジャイブでマーキングの練習をこなした。それに比べると今日の風ははるかに足りない。私の道具を見ると、こう言った。
「こんな小さい道具、張ったの?」
「うん、だってコレがイチバン大きな道具だ。どんなに吹かなくても、コレにのらなくっちゃ」
「え〜、ウソ〜」
私のセイルはアロウズのTフォース、6,9。ボードはエクセルの270。純粋のスラロームセットだ。
選手、スターターは中州へ移動する。途中の潮流が強い。富津はコレが恐い。いよいよメンズオープンの開始だ。日が陰って寒い。風も足りない。アウトにはうねりがある。ひとりだったら出艇しないだろう。う〜、逃げ出したい。
メンズオープン、第1ヒートがスタート。パンピングでスタートするが、スグに展望台のブランケにつかまる。大きな道具でもつらそうだ。このヒート、コカッキー(柿木)選手がトップ。
第2ヒート。スタートはゆっくりだったミッキー(三田)選手が、先日入手したビックボードを上手く走らせ、トップフィニッシュ。
第3ヒート。ナイトウ選手がトップをひいて終了。
第4ヒート。さて、いよいよ私の順番だ。
クジ引きにより、私のスタート位置は上3。場所はまあまあだ。スタートホーンが鳴り、スグにボードに飛び乗ってパンピング。ここはまだ手応えがあるが、コレにだまされちゃダメだ。スグにブランケに突入するはずだから、慌ててセイルを引き込んだり、ましてやハーネスなんかをかけたら、ビーチ観客正面で沈することになる。ここは我慢我慢。そんな中、一上からスタートしたスギタ選手がスルスルと艇を伸ばす。
ブランケを抜け、うねりの海面へ。少しずつ風の手応えを感じる。前を行くスギタ選手がプレーニングに入ろうとする。私も小刻みなパンピングを繰り返し、遅れまいとするが、走り出しはやっぱり彼のほうが早い。でも、第1マークでもたついているうちにちょっと追いつき、そのまま第2マークへ。
第2マーク……無風。前方のスギタ選手が沈。落ち着け、落ち着け。ゆっくりバランスを整えて回ればOKだ。と、その時、もっと後ろにいたハズのハッシー(ハシモト)選手がマークギリギリでドリルジャイブ→沈。が〜、そのあおりで私も沈。3人でウォータースタート合戦になる。しかし無風。
「あがらね〜!」
というハッシーの叫び声が背中で聞こえる。私はセイルアップに切り替えた。そして3人でセイルアップ競走。一度は私が先頭で抜け出すが、気持ちがそこで緩んだのか、再びセイルを落とす。そこをスギタ選手がパスしていく。なんとハッシーも。ヤバイ。
ノンプレーニングのうねりの中、私はハッシーの上位置をキープ。うねりの背を降りるスピードを丁寧につなぎながら、なんとかハッシーをパス。
3人でセイルアップをしている間に数人にパスされている。いったい私は今、何位だろう。前を行くセイルを数えると4番目。ギリギリで次のヒートへ行けるかも。なんとかその順位もキープして第4ヒート終了。ふう。レディスオープンクラスが行われる。Stiffメンバーではハルミちゃんに期待をしていたが、彼女は準優勝。タケママが頑張って3位。
セミファイナル第5ヒート。これもコカッキーが圧倒的な艇速でトップ。そして第2ヒートでトップをとったミッキーが、ほとんど同じような展開で2位。
セミファイナル、第6ヒート。
クジ引きにより、私のスタート位置は再度上3。スグ上をスギタ選手。スタート後、先ほどのヒート同様にスギタ選手がスルスルと先行する。予選を勝ち上がってきた選手達もそれに続く。この風で、私の艇速ではついていけない。私は後ろに下がるとみんなの上位置をキープ。アウトに出てプレーニング。マーキングで何人かをパスする。
ホワイトキャップのレスキュー艇を駆るアサちゃんが、フルスピードですれ違いながら奇声をかけてくれる。私も奇声を発し、自らを鼓舞する。声を出したら、なんか少しラクになった。そのままの順位でマークをふたつクリアし、ゴールへ向かう。3位か?これで、なんとかファイナル進出? いや、ここで気をゆるめてはイケナイ。あの内側の白いマークを越えるまでは。う〜ん、風がない。ゆらゆらゆらゆら。とにかくバランスだけとる。そのままゴール。……あとで聞いたら4位だった。うわっ、ギリギリ。とうとうファイナルまで来た。さすがにここまで勝ち上がってきている選手達の道具はみんなデカイ! 並ぶと、まるで自分が子供みたいだ。しかもスタート位置は6番目。「この小さな道具でここまで来たんだ。OKじゃないか」というささやき声が聞こえる。瞬間、本当にそんな気になりそうになったが、「いや、まだまだだ。優勝はムリかもしれないが3位入賞、せめて6位は狙おう」と、心を入れ変える。
スタートホーンが鳴る。懸命にパンピングするが、他の選手のボードばかりがグイグイ進んでいく。ここであんまり精一杯パンピングしすぎると、次に来るブランケでバランスを崩すからムリはしない。ほら来た、ブランケだ。エクセルのスラ板は、まるで風が抜けたウエイブボードのように頼りなく漂う。前足をジョイントの前に出してバランスをとる。足首まで水に浸かっているのが分かる。でも、そっちを見ることはできない。視線を高く保つんだ。遠くを見ろ。風を読め。うねりに合わせろ。視界の右側で誰かが沈したのが分かった。
やがて風の手応えを感じる。小刻みにパンピング。うねりの背を降りる勢いを利用してプレーニングに入る。イイ手応えだ。この艇速ならば第1マークをレイルジャイブで回航できる。失速しなければ先行艇を交わせる。さっき沈した選手がいたはずだから、1人パスすれば6位か?マークに向かって下らせ、加速。よし、いけるぞ。ここでフィンに、ガンッという衝撃。藻? それもロープみたいに丈夫で太い? 次の瞬間、私は前へ飛ばされていた。
ヤバイ。セイルは、最高にリカバリーしにくい角度で落ちている。ウォータースタート……てこずる。え〜い、セイルアップだ。などとモタついているうちに、1位のコカッキーがぶち抜いていく。シット! 周回遅れだ。でも、あきらめるな。どこかでまだ沈している選手がいるかもしれない。スグそこの第1マークを強引に回航し、インマークへ向かう。風がある。プレーニング。だけどスグにブランケにつかまるはずだ。高さをかせげ。ほら、だんだん弱くなってきた。このまま風だけに頼っていっては失速する。私はうねりのフェイスにあわせてボードをコントロールし、プレーニングをキープ。下らせながらマークへ向かう。マーク直前のうねりに合わせてパンピング。なんとか失速せずにレイルジャイブ。ここで一人パス。頑張れ、たぶんあと一人抜けば6位か?
しかしながら、再びアウトマークで微風となり、ギリギリで回ったら、そこにはまた藻の大群。うわっ。
さて、最終マークは回った。あとはビーチへ直接戻るだけだ。カッコよく戻りたいが、順位も順位だし(たぶん7位か)、風も足りない。優勝者がすでに決まり、寂しくなったビーチに真っ赤なウエットスーツ。私のワイフである。おお、待っていてくれたのか。
ビーチへ着くと、いろんな人が「小さな道具でよくファイナルまで行ったね」と、ねぎらってくれた。それはそれで嬉しかったけど、やっぱり私はくやしかった。あの藻がなければ、それが察知できていれば、素早くリカバリーできていれば、微風ジャイブがもっと安定していれば……。今日の道具でも、もっとイケたはずだ。う〜ん、やっぱりくやしい。
レスキューの話しをしよう。
今回、ホワイトキャップがレスキュー艇を出してくれた。マークの打ち直しやスタッフの中州への移動、ビギナークラスでのレスキューなど、大活躍のホワイトキャップ号だった。レース中、私にも声をかけてくれた。
それは、レディスのヒート前のことである。誰かが杉原店長に言った。
「ねえ、あんな沖、行ったことない。こわい」
「大丈夫、大丈夫、アサちゃんのレスキュー艇がいるから」
しかし、その時、アサちゃんは漂流していた。ガス欠である。
「ウインドで一度もレスキューされたことないオレが、ジェットスキーに向かって両手を上げたんだよ(海上での救難信号)。ちょ〜っとフクザツだよね」
とは、アサちゃんの弁。
車もボートもガス欠には気を付けよう。っていうか、レスキュー艇がレスキューされちゃ、マズイだろ!?
5時40分。夕闇が迫る中、表彰式。いいなぁ、トロフィー、欲しいなぁ。
表彰式が終わるのを待っていたかのようにして雨……そしてヒョウが降ってきた。これにはビックリ。レース中でなくてよかった。
オープンのヒート表と入賞者の面々。
今回のレースレポート、思いっきり個人的にまとめてしまった。多少、恥ずかしい部分もあるが、レースに出られなかった人や初めて出場した人、いくらか参考になっただろうか。ともあれ、新装した富津スラローム、第1回をStiffは1位〜3位独占という形で終了。充分な結果だといえよう。手持ちの写真など、まだ材料が少ないので、このレポートは現在の段階での速報と理解していただきたい。とりあえず、本日はここまで。至らない点はご容赦いただきたい。
J-222記
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