ジャパンサーキット…参戦奮闘記
和歌山浜の宮ビーチ 02’6.15〜16


去る02年6月15〜16日、和歌山県同市浜の宮ビーチにて ジャパンサーキットサンクションシリーズ(WAKAYAMA21 CUP)第2戦が開催された。 種目はレーシング(FW&スラローム) STIFFからライダー吉崎(以下ザキ)・大竹・三田(以下ミッキー)の3名が参戦。 はたして結果は…?  レポート:J56オオタケ


はじめから…
 今回の参戦は、ハッキリ言って勢いで進んだ…
とある日の検見川ビーチWHITE CAP(以下WC)のJ85鈴木プロ(以下コング)との会話。

大竹  「コング〜今度、和歌山で大会あるんだってぇ〜?レーシングってアップかなぁ?」

コング 「多分そうだと思うけど、吹いたらスラロームですかね〜」
大竹  「アップかぁ〜…行ってみようかなぁ〜」
コング 「ザキも行くかも知れないし、行くんだったら人数集まれば安く行けるから行きましょうよ〜」
大竹  「そうだね〜、ここは一丁鰹の刺身でも食いに行くかぁ〜…」

 かくして、俺の《鰹食い倒れ計画ツアー》が決定した。
後日ザキと相談して、お互い行く決意を確認…

1週間前
 先日の富津スーパースラローム準優勝のミッキーを誘ってみると…行くとの返答!!
これが1週間前。やったぜ4人揃った!ところでエントリーは(@_@;)?! ヤバイ!
JPWに選手登録してないジャン俺ってば〜…
 そう言えばミッキーもWFJにナンバー登録してないし、JPWにも同じく選手登録しないと〜…

5日前
大竹   「ミッキー、ナンバーとか選手会登録しないとヤバイみたいよ」
ミッキー 「どうやんですか?」
大竹   「ザキに聞いたんだけど、こうやって、アアやるみたいよ〜」
ミッキー 「分かりましたぁ〜…」
4日前
ミッキー 「JPWのHP見たけど、ナンダか凄い大会じゃないっすかぁ〜…俺ヤバイっすよ〜」
大竹   「大丈夫だって、ナンとかなるよ〜…俺もサーキット始めてだし、美味いもん食いに行こうよ」

 ナンの躊躇もなく、ピクニック気分だった俺はその時始めて大会の重さを感じた…それが大会3日前。練習するにも時間が無い…しかも10.0Fを張る為の肝心なブームも無い…準備しとけばよかった…ナンテ今更言っても始まらない…

3日前
 ウィンドサーフィンジャパンの三木社長に連絡を入れてブームをお願いした。その夜、自宅ガレージで持って行く荷物の準備中、あ゛〜ジョイントのパイプが1本足らないジャン〜何処かに忘れてきたらしい。
   …無くした…
 STIFF杉原店長に速攻電話!「ジョイントパイプ有る??」心なしか店長怪訝な声で対応…キット「段取り悪いなぁ〜」ナンテ思ってたハズ?!

2日前
 STIFFの脇のガード下にてコングとザキと集合!4人分の荷物が積込み出来るか確認しようと練習。
 FWの道具だけなら楽勝なのだが、吹いた時用にスラロームの道具も持って行かねば…期待を込めて必要な分だけなら積めそうだ…よかった、よかった!しっかしスッゲェ〜荷物の量…これでも3人分か〜…もう1人分の荷物はキット大丈夫? 無理矢理に納得する事にして解散…いよいよ明日出発だ。

1日前
 夜10時に錦糸町にある俺の会社に集合。ミンナ仕事帰りだけにナンダか弱ってる、テンションが低い。ココで車1台に4人分の荷物を積込み開始!ボードは全部キャリアの上(FW4枚・スラローム5枚)中はセイル17〜8枚・マスト17〜8本・ブームも同じ数くらいはある…無理矢理積込んだ…

コング  「ナンか俺の12F長過ぎてバックドア閉らないよ〜」
大竹   「…」
ザキ   「…」

 ザキはおもむろにコングが見てない隙にセイルを足で蹴り込み、ねじ伏せるように押込んだ…
あ〜あ、ブームエンドの所がグシャグシャになっちゃうよ〜…俺は見ぬふり。しかし…バックドアは完全には閉ってないような気がする…なんか浮いてるんだよな〜…気になる俺。
 そんな俺の心中を察するようにザキが一言(こおいう所は気が付くのが早い)

ザキ   「大丈夫ッスよ〜」(ナンの根拠も無い…と思う)
大竹   「…」

 やはり気になる俺はバックドアを再度開け、勢いをつけ閉め直す。
《グシャッ》って音はしたけど綺麗に閉った。よかった…ザキと無言のうなずきを交わす。
準備OK、23時30分イザ出発
途中コンビニに寄り、夜ご飯と睡眠促進材(いわゆる酒)を購入。
1時間後静まりかえった車内に流れる…が俺を癒す。
結局、名古屋を越えた辺りでザキと運転交代後は任す…

みんなのイビキの中、運転を続けるザキ。 早朝のコンビニで朝ご飯。

朝日を浴びるお馬鹿な3人。後ろの車をここまで引いてきた(ウソ)。

もうじき会場だあ〜


レース1日目



会場を発見!


 気が付いたら和歌山…天気はピーカン時間は7時30分過ぎ。ぎりちょん滑り込みセーフで会場入り。ナンダか南国チックなところじゃありませんかぁ!アクリル板のように青い空!しかし暑い…。
 受付に行くと、オォ〜雑誌でよく見る方々が大勢居るじゃないですか〜…サイン貰って来ようかなぁ〜。しっかし皆さんスッゲェ体してる。J67山田選手なんか俺より小さいのに《とってもマッチョ》でビックリ!
 精神安定剤(いわゆる麦酒)片手にプラプラしてたら、J20杉原プロも到着。GW館山ツアーにも参加して頂いた蔵内プロと再会!しかしキツイ一言。

「ナンでココに居るの?今日はコンテストじゃなくてレースだよ〜」

 脇に居た合志プロにも紹介してくれたが「大竹さんって言って、杉原兄のSTIFFってお店のフリースタイルの人」って言われてしまった。そっか〜俺はフリースタイラーだったのかぁ〜。

J-20杉原プロとも再会

                  
 無事受付も済ませ開会式。

 主催者他数人の挨拶の後、コースやルール等の説明┓(´_`)┏
 オーノ〜…よく分からん…。
 旗はパタパタしてるけど、ウェイティング。とりあえずセイルでも張るかぁ〜…という事で、俺とミッキーは10Fと9F。、ザキは9.8F1枚、コングは12F&9.8Fを張った。内心「吹いてスラロームにならないかな〜、アップは嫌だなぁ〜でもイイかぁ〜」と小さくなる俺…。
 初夏の日差しはパチパチと音がして肌に突き刺さる…そんな乾いた感じの昼前いきなり『パンッ』っという音がした。振り返るとミッキーの9Fのマストが折れてる…誰も予備は無し…。

 午後1時過ぎ、レース開始を促すZ旗が揚がる…いよいよジャン!

 マッタリしていた会場がにわかに慌ただしくなる、海上では既に数人がプレーニングしている。そこからが大変!着替えていたり、時計は何処?何処?あ゛〜未だアルコールが抜けていない〜…。ナンダか心臓バクバクしてる〜…呑み過ぎのせいか凄い量の汗が額を駆け落ちる(^^;ノ.

第1レース
 慌てて10Fで出艇!しか〜し…スタートラインに着く前に無情にもホーンが…
ヤッベー始まっちゃったよ〜…よく分からないままナンとか2周廻ってきた!順位…きっとカウントされてない…。
 海上スタートの為、休むのも海の上!何となくボーっとしながら休憩してるも…ナンダか気持ち悪い〜。
 スタート5分前の赤旗が揚がる!ミンナ重たいセイルを海面から引きずり出してスタートラインに向かう。

第2レース
 未だスタートの要領も分からず、何となくミンナの後ろを付いて行く俺。レースのスタートホーンが鳴る。
 「今度こそ」と思いながら体に鞭打ってボードを上がらせる。しかし、ど〜も妙…俺だけアビームで走ってる気がする…気がしてるのではなく実際に上ってない…。

 え゛〜なんでぇ〜

 …確かにセイルは大きくはない…だけどザキもミッキーも同じ大きさなのに〜…見るからに角度が違う…。結局上がらないから距離を多く走る…人よりもレグを伸ばさないと上らない…う〜ん非効率的な展開。
 死ぬ思いで上マークを廻航!またしても後ろに数人しかいない。下りに入ったら、上りよりも風がスカスカァ〜って感じだ〜。板が走らない…。それでもナンとか走らせて数人抜いた!そして下マーク廻航…と云う事は…ゲゲッまた上りかよ〜。
 そして又俺はアビーマーになった…。後ろに居た筈のミッキーがいつの間にか俺より上に居る。ナンとか追い着き、ミッキーにすれ違い様に手を振ってみた!

 シカトされた…

 またしても後ろ数人のままゴール…。
 この時点でカナリ身体がボロボロ、息も上がってる!咽も乾いた…誰か水をくれ〜。コンナにキツイとは思いもしなかった…。

 地獄絵図のようだ…

 なんでエントリーしちゃったんだろう…凄く後悔。
 上位の選手は僕等が帰るまで、ゆっくり休憩出来てる。俺達はゴール間もなくすぐレース5分前の赤旗…『ウソでしょ〜休ませてよ〜』俺の声にならない心の叫びが無情にも届かない。

第3レース
 カナリ投げやり、腿裏の筋肉両足攣っている、背筋がギシギシ悲鳴をあげている、手の平の皮が剥れて痛い。遠のいていく意識の中でナンとか廻った3レース目…。順位はどうでもイイから…早く陸に上がりたい…水を思いきり咽に流し込みたい。『次あったらどうしよう〜、俺を殺す気か〜』声にならない心の叫びがどうやら届いたらしい…選手達は陸に向かっている。フラフラと俺も陸に向かう…よかった〜
 水を飲んだ時の歓びは決して忘れない思い出になった。順位?知らない…興味無かった、それより《水》。

 どうやら風も少し落ちてきてウェイティング…午後4時近く遅いランチを採ることに。
 ミッキーと俺がコンビにの弁当ガツガツ食ってたらコングが宇宙食みたいな物を流し込みながら一言。


「レース中そんなにヘビーな物食べちゃヤバイよ〜」

 そんな彼がとてもアスリートに見えた!
 それより、まだレースやるのかな〜…俺もう駄目…。

 悪魔のZ旗が再度揚がる…

 俺は1レースサボる事にした。「ゆっくり見物してよう」俺の中の天使が囁いた。天使の笑い声に反応しながら俺は目を閉じ現実から離れた場所に身を置く事にした。
 どれくらい経っただろう、ミンナの声が聞こえてくる。俺は天使に別れを告げ目を開けるとミッキーが言った。「結局ノーレースだったよ。1回スタートしたけどゼネリコになって、再スタートの前に風が落ちて」
 今日はもう終りらしい。やった〜\(^O^)/ぅお〜。

 今日の時点で一位はJ67山田選手・2位J25浅野選手・3位J12根本選手…12位J85コング…27位J20杉原選手…53位631ザキ…59位おおたけ…67位ミッキー

 とりあえず道具をチンタラ片付けてたら、杉原祐二プロと一緒に夜ご飯を食べようという事になり。一路宿に向かう。
 俺とミッキーはイビキが凄いという事で同室。コングとザキが隣りの部屋。1Fのロビーでビールを買い咽を潤す、軽くシャワーを浴びてから夕食タイム!!鰹の刺身&白魚の踊り食い…と思いきや。チョット小洒落た鳥料理のお店。杉原プロ・コング・ザキ・ミッキー・小川さん・俺の6人で狭い部屋で食らった!呑んだ!だけど…鰹の刺身&白魚の踊り食い…皆無…刺身盛り合せの鰹の刺身ナンとか1切れGET!まっイッカ〜…小川さんブレイク!コングもブレイク!今宵はカナリやる気になってるらしい…。
 宴もたけなわ気が付いたらTAXIがお迎えに…和歌山ナイトを満喫すべくイザ市街へ!何処に行く?

ねぇ〜ねぇ〜何処行くう〜??

 期待に胸膨らませフーラ・フーラ歩き続ける事小1時間…スッカリ酔いも醒め「足が痛い」だの「腰が痛い」だの始まって…結局フツーのマッサージに行ってしまった!出てきた
ら門限の時刻が近い…杉原プロの知ってる店の和歌山ラーメン啜って速攻宿に帰宅!いや〜でも身体が軽くなった!よかった・よかった。その後すぐ気絶!

コング&小川氏


レース2日目
「今日は吹かない」そんな噂が出ていた…天気は今日も良い。朝からウェイティングが続いていた…。
 昨日のボードが上らない事をザキとコングに話したらジョイントが後ろ過ぎと言われた。

「ここは検見川と違うんだから5cm位前でもいい筈」

 その言葉を信じて前に出す。
 風は次第に揚がり始めて午後3時レース開始のZ旗が揚がった!昨日の疲れはマッサージのお陰で全く無く!少しやる気な俺。今日はハーネスもパンツハーネスにしてみて10Fで再度チャレンジ。

第4レース
 昨晩聞いたスタートシークエンスのとり方を気にしながら、時間を気にする。だけど相変らず段取りが悪い…。

時計を忘れてしまった!

 そばに居たザキに時間を聞く俺…やっぱ駄目じゃん〜…
スタート!今までより良いスタートが切れた。風は少し弱いながらもイイ感じ。ジョイントを前に出したせいかミンナと同じ角度で着いて行ける!イイじゃん・イイジャンでも結構後ろ…。
 Whatever will be will be!思わず長渕剛の《とんぼ》を口ずさむ…2上マークを廻るとザキが居る。抜きたいけど抜けない…そのままゴール。ヤッパリ下りになるとナンか風が足りない…結果は…??

第5レース
 上る事に対してコンプレックスが少し無くなった!疲れてない!スタートも何となく要領が掴めてきた!風もカナリ上がってる、下の方では6F台がプレーニングしている。
 スタート、今回最高のスタートが切れた。「やった〜」思わず心の中で叫んだ!1周して真中位…。これで行けばカウントされる。カナリ気を良くしてる俺!

「遠回りは嫌いです…近道はもっと嫌いです…まっすぐでイイじゃないですか」

 そんな高倉建の…麒麟ラガーのコピーが俺の頭をよぎる。
 キットこれは遠回りでもなく近道でもない…俺が建さんの領域に入った瞬間だった…。2上までもうすぐ、あそこを廻れば後は下りのみ…風も充分、このまま行くぞ〜…マーク廻った瞬間いきなり地獄が待っていた。

…前足のストラップがブッ飛んだ!

 前にすっ飛ばされた…でもまだいける…自分に言い聞かせても現実は辛い…バンバン抜かれる…真中位にいた筈なのに全員に抜かれた…たかだか1レグで…泣きそうになった…。そして全ては終わった。
 力尽きてナンとかビーチに戻った時はミンナ道具を浜から上げていた…。波打ち際でヨロヨロ歩いていたら、地元のセイラーに

「コンナに吹いてるのに大きい道具で大変ですね〜」

 と声を掛けられた。そんなに俺の目は死んでいたのだろうか…

 本当に終わった…終わったけど何故か気持ちがイイ…キットそれは辛いレースから開放されたものではなく、今自分が出せるものを出しきったからだろうか?(しかし俺のポテンシャルはコンナに低くないと信じたい…)そんな充実感と結果の不甲斐無さを胸に抱きながら道具を片付け帰路についた。


最終結果
 1位J25浅野選手が逆転優勝・2位J67山田選手・3位J1717寺前選手…大きく順位を上げて8位J20杉原選手…11位J85コング…50位631ザキ…61位おおたけ…67位344ミッキー。

おまけ
 帰りの車中、太腿の裏側の筋肉が両足攣って尚且つ腹筋まで攣ってしまって車を緊急停車してもらい、コング、ザキ、ミッキーに愛のマッサージを受けました…2日間最後の最後まで振り廻した…3人、それから気にしてくれていた杉原店長はじめ皆様ありがとうございました。

 そして、オヤジの遊びを理解(放任?)してくれてるMy Family にSpecial Thanks!

もう少し頑張って練習して…次回は是非…
おおたけ ひであき





日本のワールドカップも終わってしまった。
写真はベッカムなコング。