マスターオブ御前崎 レポート page1

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今年3月1〜3日。「マスターオブ御前崎」が、復活した。
ウエイブの聖地で行われるレースは、
プロから泣きが入るほどタフだ。
その証拠にすべてのプロが出場できるわけではない。
年間ランキングベスト16以内の者にのみ出場が許され、
そこにさらにPWAのトップランカーも参戦する。
我らが杉原祐史は、そんな場所で戦った。

 写真は月間「Hi-Wind」2002.3月号、p44-45。記事には「かつてマウイのトップウェイバー、デイブ・カマラが暴風に流され」「リバイ・サイバーがあまりにハードな8分間のヒート後に顔を歪め、車に閉じこもった」とある。それほどタフなレースなのだ。

 高波、強風で知られるこの大会、選手にとっては、風上から風下へのサバイバルレースである。風下にフィニッシュした選手は、ビーチを歩く事も出来ないほどボロボロになる。それほど、1ヒート数分間に全てを完全燃焼するだ。このサバイバルレース、サポーターナシでは勝ち抜く事は難しい。

 実際、ヒート終了後、疲れきってひとりで道具を運ぶことも出来ず、次のヒート参戦があやうくなったプロもいたとか。杉原祐史にそんな目にあわせるわけにいかない。Stiffでは、店長はじめ複数の有志が現地入りし、彼を全面サポートした。ここに、その様子をレポートする。


御前崎ロングビーチ全景。左上が有名なメロン。

3月1日

 サポートチームは午前4時に千葉を出発。道のりの半分近くを下道で行ったので、現地に着いたのは開会式後だった。
 風は東向き、そよそよ。大会本部には、「スタート延期」を示すAP旗が揚がっていた。オーストラリアのフォスターというビール会社がスポンサーについており、フォスターの旗があちこちに揚がっている。残念ながら「フォスタービール飲み放題」はないようだ。

 メンバー表を見ると、ランキングベスト16の選手にワイルドカード2名を加え、合計18名が登録されている。外国人選手は、PWAのレーススケジュールが重なるとかで、今回は出場がない。ただ、この大会の様子は海外へも流されるということで、外人の撮影・取材スタッフが大挙して会場入りしていた。なかなか華やかなムードである。
 私たちは、千葉から持ち込んだボードをJ20杉原祐史に渡し、セッティングを手伝う。風は、終始、そよそよ。のんびりムードの会場の中で、J20杉原祐史にインタビューをする(その内容は、後日、ARTICLEページのインタビューコーナーに掲載予定)。

 J20杉原祐史の新しいノースセイルを見る。もともと世界的に見れば、シェア第2位(それも1位と1%差)のセイルである。その素性の良さは言わずと知れている。フォルムの美しさはもちろん、細かな気遣いに私たちは少し驚いた。
 例えば、セイルのトップを支えるヒモ(きしめんみたいに平らな)が擦れて切れたことはないだろうか。あるいはバテンの最後を留めるヒモが擦れて切れたことはないだろうか。ノースセイルはのトップにはフタがしてある。バテンもボックスバテンというタイプを用い、擦り切れるはずのヒモ自体が存在しない。その裏側も擦れ防止のガードが施されている。これならアスファルトの駐車場でがんがんセッティングしても全然平気(?)。さらに、マストが細い。これはタックやジャイブ時のマストホールドが楽になるはずだ。

フォスタービールの旗がたなびく会場には外国の取材クルーも乗り込んでいた。

平日にもかかわらずサーファーで賑わう本部前ビーチ。

麗らかな陽射しの中、インタビュー風景。

細径で握りやすいマスト。
バテンエンド裏側にある擦り防止プロテクター。 擦れの心配が少ないボックス型バテン。 ジョイントはアローズジョイントでバッチリ。 トップ部にはフタがしてある。
  レースのほうは夕刻を待たず、本日は終了。その後、J20杉原祐史はロングボードでサーフィンをしていた。私たちは灯台のすぐ脇の民宿へ行き、一日が終わる。

 

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